鉄器副葬品からみた古墳時代中期の一考察

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1・大形壷1・大形器台1・壷付大形器台1・水鳥形はそう)・土師器(壷1・甕1)の他

棺材残片と鉄釘若干があった。

肥前・径約46mの円墳「円山古墳」単室両袖型の古式の横穴式石室で、石室内中央部屍床

より碧玉製勾玉・碧玉製管玉が、前室側屍床より金銅製前立付小札鋲留眉庇付冑・鋲留短

甲・肩甲・鉄剣・鉄刀・鉄鉾・鉄鏃・手斧・刀子・鉄鎌などが出土している。

日向・全長約40mの前方後円墳「浄土寺山古墳」の半円形の粘土槨の槨内から歯片の他、

竹櫛48鉄剣9・鉄刀6のほか、鉄鉾・盾・鉄斧頭・短甲・冑などが出土した。

 

大和・河内・和泉以外の7期の古墳では、近江・径28mの円墳「円山古墳」の右片袖

型横穴式石室に阿蘇溶結凝灰岩製の刳抜式家形石棺が納められていたが、玄室床面から

装身具として銀製垂飾付耳飾・螺旋状耳飾等、冠に取り付く歩揺等の飾金具類、銀製空玉・

ガラス玉等、武器類には?甲・横矧板鋲留衝角付冑・捩環頭大刀・銀製捩金具や鹿角製の

把を持つ小刀・鉄鉾10以上・鉄鏃500本以上・胡?等、馬具類は鞍金具・鐙・轡等が出土

している。

若狭・全長約66,5mの前方後円墳「若狭西塚古墳」の竪穴式石室内から舶載神人画像鏡1

?製四獣鏡1・ガラス製勾玉1・管玉44以上・金製垂飾付耳飾2・銀製鈴・銅鈴6鉄刀・

鉄剣・鉄鉾・鉄鏃・鉄斧・眉庇付冑片3・小札板鋲留衝角付冑1・横矧板鋲留短甲1・肩甲

10以上・頸甲1・轡12・辻金物2金銅帯金具(鈴付龍文・鳳凰文?板)4以上・同

?具1・砥石2・須恵器壷片1が出土している。

常陸・全長85mの前方後円墳「三昧塚古墳」から組合式石棺と遺物を収納した木箱?が

検出され、石棺蓋上には鉄製戟1が置かれ、石棺内には馬形飾りが付く金銅製透彫冠を

かぶった1体の遺骸があり、変形四紙四獣鏡1・乳文鏡1・金銅製垂飾付耳飾1対・青銅製

飾金具・金銅製半球形飾金具・櫛1・碧玉製管玉・ガラス製丸玉・小玉・鉄刀2・鉄剣1

鉄鏃・?甲が出土し、収納施設からは鉄刀1・鉄鏃・刀子・砥石・横矧板鋲留短甲1・?甲

付属具1式・衝角付冑1・鉄地金銅張f字形鏡板付轡1・鉄地金銅製面繋飾金具が出土し

ている。豊前・径37mの円墳「セスドノ古墳」主体部は簡単な横穴式石室で、盗掘を受け

ていない。金冠片・珠文鏡・金銅製垂飾付耳飾・耳環・玉類・滑石製の臼玉や有孔円板・

櫛の他に、鉄製武器(剣・刀・鉾・槍先・石突・鏃)・横矧板鋲留短甲・鹿角製刀装具・金

銅製鏡板付轡・青銅製鈴付杏葉・辻金具・須恵器が出土している。

肥後・全長62mの前方後円墳「江田船山古墳」横口式家形石棺からは、神人車馬画像鏡・

画文帯神獣鏡・獣帯鏡・変形四獣鏡・広帯式金銅製冠・狭帯式金銅製冠・金銅製透彫冠帽・

金製垂飾付耳飾・金銅製帯金具・金銅製飾履・碧玉製管玉・ガラス製小玉・銀象嵌大刀・

龍文素環頭大刀・素環頭大刀・鉄刀・鉄剣・鉄鉾・鉄鏃・横矧板鋲留衝角付冑・同短甲・

龍文を飾った鉄地金銅製鏡板付轡・三連のはみをもつ鉄製素環鏡板付轡・鉄製輪鐙・三環

鈴がある。銀象嵌大刀には「治天下獲□□□・・・」の75文字の銘文を持つ。

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