鉄器副葬品からみた古墳時代中期の一考察

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金具・馬具か胡?の飾金具と考えられる勾玉形銀製飾金具3用途不明金具1・馬具(鉄地

金銅張磯金具・鉄地金銅張覆輪および飾金具・?(しおで)・鞍居木飾金具・ホ具・轡・

革帯の飾金具・鉄地金銅張雲珠・同辻金具・鉄製環状珠・同辻金具・鉄地金銅張杏葉・同

釣舌金具・同花弁形杏葉)・須恵器(器台2・広口壷2・はそう2・高坏5・坩(かん)1

坩蓋2・坏身4・坏蓋3)・土師器(高坏2・小壷1)など多数の遺物が出土している。

 

和泉・百舌鳥古墳群では、5期の大王墓・全長365mの前方後円墳「石津ケ丘古墳」

(百舌鳥ミサンザイ古墳)の陪塚と考えられる、径約50mの円墳「七観古墳」からは、1913

年・1947年・1952年の3回に亘って遺物が出土している。1913年には三角板革綴衝角付

4竪矧細板鋲留衝角付冑1三角板革綴短甲残決(三領以上)・三角板鋲留短甲残決

1・頸甲2・三角板革綴頸甲2・肩甲1・鉄素環頭大刀1・鉄刀4以上・鉄剣3・鉄鉾2

鉄鏃約140・鉄製轡・兵庫鎖付鐙金具・ホ具・鉄地金銅装辻金具状品・鉄斧・?・不明鉄

製品があった。1947年に検出の西木棺内からは鉄刀3・鉄鏃三群数十本・棺外からは

金具1・轡1・木心鉄板張輪鐙1・三環鈴1・ホ具及び革金具などの馬具・また東槨からは

型式不明衝角付冑1(三角板並行四辺形板併用革綴短甲内から綴及び三尾鉄が出土)・三角

板革綴衝角付冑1・三角板並行四辺形板併用革綴短甲1・長方板革綴短甲1・頸甲1・肩甲

2・鉄短剣6・鉄製手斧2・金銅製帯金具(ホ具1・鉈尾1・心葉形垂飾付龍文透彫?板6

が出土し、1952年検出の粘土槨からは鉄刀120~130・鉄剣25~30・蛇行状鉄剣2・鉄鉾4

素環頭残決
2
が出土している。その他滑石製勾玉2剣形鉄製品1も採集されている。

同じく5期「堺(百舌鳥)大塚山古墳」・全長168mの前方後円墳には後円部中央に四基

(一〜四号)、前方部中央からくびれ部にかけて四基(五〜八号)の粘土槨があり、一号と

七号以外には人体埋葬の跡がなかったという。一号槨からは鏡・玉類・刀剣・鉾・三角板

革綴襟付短甲・衝角付冑・手斧・刀子、二号槨からは盾・短甲4・衝角付冑・草摺・籠手・

手斧・鉄剣・筒形石製品、三号槨からは短甲・鉄剣・櫛、四号槨からは刀剣約100と工具

類、五号槨からは刀剣・矛など100余り、六号槨からは短甲・小札草摺・鉄鏃・鉾・鉄刀

七号槨からは鏡・玉類・鉄剣・手斧、八号槨からは鉄斧・鑿などの工具類が出土した。

全長186mの大型前方後円墳・「御廟山古墳」の陪塚的位置にありながら、人体埋葬の痕跡

が認められない6期の推定径50m「カトンボ山古墳」には、位至三公鏡1・無紋鏡1

子持勾玉4・勾玉725・臼玉20,000以上・斧形品6・鎌形品13・刀子形品360・剣形品1

双孔円板1等の多量な滑石製品または滑石製模造品の他、鉄刀・鉄鉾・鉄鏃・刀子・鉄斧・

蜘蛛手形鉄製品などが出土している。

7期「城ノ山古墳」・全長約77mの前方後円墳になると、後円部の竪穴式石室から銅鏡・

鞍金具・盾・鉄刀・鉄剣・鉄鏃・短甲・?甲・金銅製?帯金具・勾玉・管玉・平玉・小玉

などが検出され、前方部から須恵器が出土している。

 

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