鉄器副葬品からみた古墳時代中期の一考察

NO 6


山城・「石不動古墳」・全長約75mの前方後円墳の後円部の2基の粘土槨は盗掘を受けて

いたが、北槨から碧玉製管玉1・ガラス製小玉81鉄剣1・鉄刀約5・鉄鏃約30・刀子10

余り・鉄鍬先
1・鉄斧
3・?2、南槨から画文帯神獣鏡1・碧玉製石釧3・同管玉40・滑石製

棗玉
29・鉄剣1・鉄刀1・刀子約20・長方板革綴短甲1・鉄鍬先1が出土している。

筑前・「若八幡宮古墳」・全長約46mの前方後円墳の後円部に直葬された刳抜式舟形木棺内

から三角縁二神二獣鏡1・環頭大刀1・刀子1・鉄斧1・碧玉製管玉14・ガラス製小玉2が、

棺外から環頭大刀1・鉄鏃19・鉄剣1・?1・竪矧板革綴短甲1が出土している。

4期大和地山形成で盛土のない16m14,5mの方墳・「北原古墳」では、墳丘中央に

割竹形木棺2基が直葬され、北棺内から鉄刀・鉄剣・刀子・蕨手刀子・鎌・手鎌・鍬・?・

鋸・鉄斧・鑿・鉄釧・琴柱形石製品・勾玉・異形垂飾品・管玉・臼玉・竪櫛が、棺外から

鉄槍・鉄鏃・刀子が出土。南棺の副葬遺物は全て棺内に置かれ鉄刀・蛇行剣・鉄剣・刀子

臼玉・竪櫛がある。その同一丘陵上西方にある「北原西古墳」は全長30,5mの前方後方墳

で、後方部に直葬された割竹形木棺の棺上から、刀子・鉄鏃・手鎌・鑿・鉄斧、棺側から

刀子・鉄鏃・鎌・手鎌・鑿・鉄斧・?・針・鍬・勾玉・管玉・臼玉が、棺内から内行花文

1鉄剣・刀子・針・勾玉・管玉・臼玉・棗玉・算盤玉・ガラス玉が出土している。

山城・「庵寺山古墳」・径56mの円墳で箱型木棺を内蔵する粘土槨は大規模な盗掘を受け

棺内遺物の詳細は不明だが棺内から、?製対置式神獣鏡1、棺外からは鉄刀9・鉄剣2・刀

11・鉄斧5・?3・鎌7・鑿3・錐2・鍬、鍬先3・穂積具18・不明工具1・釣針3・ヤ

1が出土している。この内農工漁具は木棺南口を押さえる粘土の外側に配され被覆粘土

によって塗込められていた。

山城・「垣内(かいち)古墳」・全長84mの前方後円墳と推定されるが刳抜式割竹形木棺を

用いた粘土槨の棺内から龍虎鏡・勾玉・管玉・石釧・車輪石が、棺外から三角縁神獣鏡・

変形神獣画像鏡が、棺外槨内から鉄鏃・鉄刀・鉄剣・刀子・鉄斧・短甲・銅鏃・木製盒

内に入っていた短剣・短刀が、槨外からは三角縁神獣鏡・三角縁仏獣鏡・変形四獣鏡・

鉄鏃鉄剣・刀子・鉄槍・鉄?・鉄斧・錐・?・鍬先・銅鏃・石製鏃などが出土した。

山城・「久津川車塚古墳」・全長180mの前方後円墳の内部主体は後円部の長持形石棺と

石棺の前後両端に付設された割石積みの竪穴式小石室で、石棺内には三角縁神獣鏡1・画文

帯神獣鏡1・?製画文帯神獣鏡1・?製四獣文鏡4鉄刀・鉄剣・硬玉製勾玉2・碧玉製管

20・ガラス製小玉・滑石製勾玉500・同臼玉・同刀子40余があり、南小石室から滑石製

盒子1滑石製槽1刀剣50、北小石室からは小札鋲留衝角付冑2・三角板革綴短甲5

頸鎧2以上・鉄鏃50以上・鉄鉾などが出土している。

同じく4期甲斐・「銚子塚古墳」・全長169mの前方後円墳の後円部の竪穴式石室から

三角縁神獣鏡2面を含む計5面の銅鏡・水晶製勾玉4・硬玉製勾玉1・碧玉製勾玉1・碧玉

製管玉150・車輪石6・石釧5・杵形石製品2・貝輪1の他、鉄刀4・鉄剣3・鉄斧3・鉄鏃

が出土している。

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