鉄器副葬品からみた古墳時代中期の一考察
NO 37
め大和及びその周辺の副葬鉄器の総量は多いとはいえ、極大雑把にいって20〜30トンにも 足らぬものと思われる。(大王墓そのものの副葬量は不明であるが) この時期はまだ、私の推測は残念ながらどうも成り立ちそうにない。しかし・・・・・ 「1500年前位の歴史時代に入ると人類の森林破壊が始まり、アカマツ林や草本低木類に変 わってくるという。[註13] 」と述べたように、そろそろ半島の木材の供給は限界に達して いたと思われるので、推測も成り立つのかも知れない。 6世紀になると半島での政治的立場も段々と不利になる事や、5世紀に入って“鉄”や“陶 磁器”などに関する技術・情報・人の半島からの流入が認められ、6世紀になると製鉄遺構 が検出されるようになるので、わが国での製鉄が始まったと思われる。 国際情勢と共に自然条件も変わり、半島からの“鉄”の取得も難しくなってきたと考えら れる。 出典・参考文献 [註 1] 倭の五王に関する基礎的考察 志水 正司 「史学」39巻2号 1965 [註 2] [註 1]+大王と地方豪族 篠川 賢 山川出版社 2001 [註 3] 古墳時代の政治構造 広瀬 和雄・他 青木書店 2004 [註 4] 日本古墳大辞典 大塚 初重・他 東京堂出版 1989 [註 5] 中国正史日本伝(1) 石原 道博編訳 岩波書店 1985 [註 6] 古代王権の誕生・「第二章」 上田 正昭 角川書店 2003 [註 7] 広開土王碑と古代日本 鈴木靖民・他
学生社 1993 [註 8] 日本史総合年表 加藤 友康・他 吉川弘文館 2001 [註 9] 日本の古代 6より
鎌田 元一 中央公論社 1986 [註10] 考古学論攷 第12冊より 東 潮 奈良県立橿原考古学研究所
1987 [註11] 幕藩制社会と石高制 松下 志郎 塙書房 1984 [註12] 太閤検地と石高制 安良城 盛昭 NHKブックス 1969 [註13] 基礎生物学シリ−ズ・植物の実態 田川 日出夫 共立出版社 1982 [註14] 近世たたら製鉄の歴史 雀部 実・他編 丸善プラネット
2003 [註15]「和鋼博物館」・ホ−ムペ−ジ “たたらを語る”より 2004 [註16] 講義ノート及びプリント 古瀬 清秀 平成16年度前期 2004 37
|